翌月リピート率のモニタリングと見るべきポイント
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別に翌月でなくてもいいんですけど笑
新規のお客様がサービスを使ってくれて翌月きちんとまた使ってくれますか?ということを継続的にモニタリングすることが重要です。
なぜ重要か。事業構造が悪化するのを早めに察知することができるから、です。
ここでのリピート率は新規のお客様のリピート率、という意味で使います。
リピート率が下がっている、ということは?
リピート率が下がっている、ということは、事業にとって2つの意味があります。
1. 短期的な業績が落ちる。
2. 中長期的に事業の業績が落ちる予測が立つ。
1. 短期的な業績が落ちる。
これは簡単ですね。
新規のお客様が翌月100人帰ってくると思っていたのに、50人しか帰ってこない場合、1人あたりのリピート単価が10,000円だとすると50万円売上額が下がる、ということです。
ただ、リピーターのお客様が売上額の大部分を占めている場合が多いので、短期的な影響としては少ない可能性が高いです。
まぁいいか。
と思ってはあとで痛い目を見ることになります。
2. 中長期的に事業の業績が落ちる予測が立つ。
予測が立つ、というところがポイントです。
横軸が経過月数、縦軸がリピート率とみてください。横軸の1が翌月です。
一般的には、翌月を起点としてなだらかに下がって行くのがリピート率の特徴です。
途中でいきなり上昇に転じることはありません。キャンペーンによってある月少し上がることはあっても。
x月の新規人数が100人で、翌月(x+1)のリピート率が30%で計画を立てていたのに、20%になってしまった場合、
翌月は▲10人の影響があります。リピート1人あたりの単価が10,000円だとすると、10万円の売上減、これが上の説明の「1. 短期的な業績が落ちる」です。
一方、(x+2)〜(x+12)の期間で75人リピート人数が減る予測ができます。同じくリピート1人あたりの単価を10,000円とすると75万円の売上減、となり、これが「2. 中長期的に事業の業績が落ちる予測が立つ」です。
翌月リピート率をみていると、中長期的にまずい、ということに翌月気づくことができます。気づくタイミングがだいぶ経った後ではなく翌月である、ということが重要です。
リピート率が下がる要因は何なのか
今までリピート率が下がったときはこんな仮説を出して検証しました。
<内的要因>
・新規のお客様の流入経路(集客構造)が変わっていないか。変わってきていないか。
・継続利用のお客様への施策を変更していないか。(毎月やっていたキャンペーンを突然やめた、徐々にクーポンを配るのをやめた、など)
<外的要因>
・競合が増えた、または競合がサービスを強化してきていないか。
この仮説をまずは検証することで、どこが大きな要因かは特定できることが多いです。
どのタイミングでリピート率を見るといい?
サービスや商品によって違います。
新規サービスや商品の場合、新規注文とリピート注文のタイミングを下表のように追っていくといいかな、と思います。そうするとどのタイミングで購入した新規のお客様がよく買ってくれているかわかります。
継続して運営しているサービスや商品の場合、以下の順番でリピート率を見るタイミングを決めるのがおすすめです。
1. よく買ってくれているお客様(のセグメント)を特定する。
2. 初めてお金を支払った日(初回購入日)から次にお金を支払った日が何日後かを調べる。
3. 1で特定されたお客様とそうでないお客様の購入タイミングに差異があれば、なぜその差異ができているのか、を特定する。
4. 初回購入日から◯日後に戻ってくると1のお客様になりやすい、そのためには△△△するとよい、を決める。
上記でリピート率モニタリングのタイミングと施策内容が一度に決まります。
1のお客様がサービスや商品によって、2週間後だったり、2カ月後だったりするので、必ずしも翌月リピート率だけを見ることが正しいわけではない、ということです。